9月に実施したオンライン勉強会「”古老は語る”第3集発刊イベントに向けて」から派生したグループでは、「発刊イベントに向けて、まずは古老の方々に直接お話を伺ってみたい」という声が上がりました。
その第1として稲伏戸(いなふしど)地区の大親分:林 銀一さんに交流するお時間をいただきました(’22.11.12)
参加メンバーは8人。マスク&消毒&換気とコロナ対策をしっかりし、歴史的資料を拝見しながら濃密(←話の内容的に)な時間を過ごしてきました!!
資料までご用意いただき私達を迎え入れてくれた銀一さん。
南信州の ”あたたかい” と形容される方言まじりの語りに、みな時間を忘れて聞き入りました。
銀一さん自身の半生を振り返っていただいたときに泰阜らしいなと感じたのが「ぐざる」という方言。
ぐざるは、
といったニュアンスのある方言で、銀一さんいわく「俺はぐざりながら育ってきた」とのこと。つまりわんぱくにワガママやってきたってことですね^^
話を聞くとゆとり教育を先取りしたんだとか😳
爆笑の小学校時代を送られたようで、ゆえに苦労された面もあったとのことでしたが、独力で勉強し社会人デビューされてからは「石屋」さんとして地域でも匠・職人として活躍されています。
興味のある方はぜひご本人からお聞きいただければ^^
銀一さんには、稲伏戸を中心に泰阜村の歴史的事実に自分なりの解釈を加えて説明いただき、村誌を読んだだけではわからない、”住民側のリアルな肌感” みたいなものを感じ取ることができました。
冒頭銀一さんから「泰阜のことを調べる人が泰阜の人ではない」との言葉があり、これまで泰阜を深堀りしてきた機関・人が概ね泰阜外だったことに寂しさを感じられていたようです。
そこで登場した我が村の若手(笑)グループ:むらがるプロジェクト!!驚きとともに少しは喜んでもらえたでしょうか??
生まれ育った土地に興味関心が持てない気持ち、私にはわかります。まして「泰阜には何もない」と言われ続け、都会化することが正義といったような社会的価値観のなかで育てば、なかなか地元に目が向きにくいですよね。。。
そんな ”地元の若い衆” の中でも、少しずつ地元の魅力や価値に気付く人が増えているんですよ!
銀一さんのお話の中で個人的に印象的だったくだりが「泰阜村は歴史を捨てた」という部分。
言葉だけ聞くと心がザワザワするフレーズですが、その内容は納得感の高いものでした。
泰阜村役場庁舎は昭和22年(約80年前)の大火で全焼しており、その折に戸籍を含む歴史的な資料は焼損しました。
このときの村の決断として、戸籍をリセットしたそうなんです。
銀一さんは「このことで、徳川の時代から引きずってきた身分制度が薄れ、結果良かったのではないかと思う」と話されました。
このような大きな歴史観を持って泰阜という地域を見てこられたこと、本当にかっこいいなと思いました。(すみません、適切な言葉がみつかりません💦)
土地の歴史は、意識できなくとも必ず私達の生活に影響があります。歴史的転換点がなければ、今の私達の存在すらないかもしれなわけですからね。
実体験を伴った語りを直接聞く&追体験が出来る、、、これこそが古老は語るをリアルイベントとして開催する醍醐味ではないでしょうか。
これ、一部の知ってる人だけが面白がってるっていうのはもったいないし、申し訳ない気持ちになりますね。。。
参加者の所感を以下にまとめます(一部抜粋)
銀一さんへのインタビュー後、メンバーより「自分のルーツを知りたくなった」という声が聞こえてきました。
未来への悲壮感とプレッシャーの中で生きている私達には、地域や自身の過去に触れる機会が圧倒的に失われています。
自分の生まれた場所、住んでいる地域、それらのストーリーを知ることで、より「今」を大切に生きることが出来るようになるのでは?と思います。
むらがるプロジェクトの活動理念の1つ「私たち、子供たちの”いま”をデザインします」にもつながっていきそうですね^^
ありがたいことに、このような面白い企画が出来る可能性が古老の方の数だけあります。私達はものすごいチャンスをすでに手にしているんですね。
銀一さん、稲伏戸のみなさん、ご協力ありがとうございましたm(_ _)m 稲伏戸のファンが増えました♫