漆平野(しっぺの)でキャンプ場整備されている村澤さんにインタビューしてきました

自然と共生する癒しの場:漆平野キャンプ場の挑戦

泰阜村の山間にひっそりと佇む「漆平野キャンプ場」。この地は、地域資源再生隊の村澤さんを中心とした有志の手で、無料のキャンプ場として開放されています。今回は村澤さんにお話を伺い、キャンプ場の背景や想い、そして未来への展望を探りました。

インタビュアー:玉井

村澤さん:飯田市在住(漆平野地区出身)
小学生の時に、今はキャンプ場となっている川でよく遊んだそう。約10年前に「この美しい景観を残そう!」とキャンプ場周辺を整備する地域資源再生隊を発足。

キャンプ場誕生のきっかけ

10年ほど前、村の観光課から同地区出身の村澤さんに「漆平野キャンプ場をパンフレットから削除してもよいか」という打診がありました。パンフレットに、【村公式のキャンプ場】として掲載できないほど荒れ果て、利用者も少ない状況だったと想像します。

村澤さんは「ちょっと待ってよ」と、出身地の危機を憂いボランティア活動を開始(のちの地域資源再生隊)。

活動費は、赤い羽根共同募金泰阜委員会より年間約3万円の配分を受けながら年に数回(主に6〜8月)にキャンプ場の整備を行い、訪れた人々も巻き込みながら活動を続けてきました。

インタビュアーの私も子どもと釣りに行ってこの活動に”巻き込まれた”一人です(笑)

これらの経緯は当時の新聞記事にもなったようです⇓

キャンプ場整備活動10年の成果

ボンランティアを中心に、テントサイトの整備・車道・歩道の拡幅・ゴミ拾いなどを行い、美しい景観を維持しながら「漆平野(しっぺの)」という地区名を残すために、キャンプ場を拠点にした”地区の利用促進”を画策されてきました。

私も40年ほど前にこのキャンプ場(の近くの川)で保育園の川遊びをした思い出がありますが、当時は整備されたテントサイトは無く、”キャンプができそうな場所” として、主に地元に向けて開かれていた場所という認識です。

そのような整備が難しい場所を10年かけてキャンプが楽しめるようになったストーリーを、ぜひ利用者にも知ってもらえる仕組みができると良いですね(考え中です)。

私も3年ほど前に、数十年ぶりに漆平野川をおとずれ、初めてこのように整備されたキャンプ場を知り、ショックをうけましたので、村内にもまだ知らないままの方が多そうです。

これらの10年に及ぶ地道な維持活動により、現在では「知る人ぞ知る」隠れ家的キャンプ場として少しずつ賑わいを取り戻しているようです。(Google MAPにも載っていないので、遠方の利用者はどうやってこの場所を知るのだろう??)

インタビュアーの私自身は、自分の故郷の自慢できる人・場所を知っておきたい/残したい/増やしたいという思いで、勝手に活動していますが、この漆平野キャンプ場も、運営されてきた経緯を知れば知るほど「残したい!」「自慢したい!」と思える場所です。

私は超インドアなためキャンプはしませんが(笑)このキャンプ場(および周辺)を利用した企画をいくつも思いつきました!!神社の神様と森の精霊の思し召しかもしれません🤯

来年度は、テントサイトまで車で下っていけるよう道路の拡幅と、危険な廃屋の撤去、そして看板の設置等を計画されているとのことです。まだまだ村澤さんの挑戦は終わりません!

漆平野キャンプ場の魅力

村澤さんにこのキャンプ場の特徴を伺うと、神社と一体化している点と語っていただきました。水場・駐車場の一角に小鷹神社という由緒正しい神社があります。「神様と(森の)精霊が共にいる場所」として、特別な雰囲気を醸し出しています。

また、直火が許可され、規制が少ないことも魅力の一つ。水場やトイレ、(一部)Wi-Fiも完備され、JR温田駅から車で15分というアクセスの良さも兼ね備えています。

無料提供への想い

自然の美しい状態を保っていることに価値を感じる人に使ってほしい」との思いから、キャンプ場は無料で提供されています。

有料化すると管理が必要となり、負担が増すため、今は協力金を募る形で運営を続けています。観光的に多くの人に利用してもらうことよりも、「まずは自分がここに来て、癒やされたいという思いがある」と話していただきました。

運営の課題と地域とのつながり

運営を続ける中での課題として、「本気のボランティアの確保」が挙げられました。キャンプ場の維持には人手が必要であり、活動に積極的に参加してくれる人を求めています。

また、地区の空き家の利用が進んでいない現状もあり、「キャンプ場をキッカケに、地区・地域の課題解決の一助になれば」と話されました。

地元の方からの関心を集めることに苦労している一方で、県外に出た人々から協力金が寄せられることもあります。生まれ故郷・故郷への思いは、地元を離れている方こそ強く抱いているものなのかもしれません。

応援してくださる方々へ

生家「布屋(民泊利用可)の軒下にて

今後の展望として、解体作業や道の拡幅、看板の設置など計画があり、ボランティアへの参加も引き続き募集中とのこでした。活動情報の周知方法として、郵送通知やWEBの活用を検討しており、情報を届けたい方々に確実に届ける方法を模索中です。

キャンプ場を利用する方々には、「心が疲れている人は、誰も邪魔しない空間でキャンプを楽しみ、美しい自然の光景を味わってほしい。その中で心が回復するのでは」とのメッセージをいただきました。

漆平野キャンプ場は、自然と共生し、心を癒す特別な場所です。村澤さんの熱い想いと地域の未来を守るため、皆さんの温かい応援とご協力をお待ちしています。

ご寄付のお願い

キャンプ場整備に賛同される方の寄付をお願いしますm(_ _)m

目標金額80万円まであと少し!!

■振込先
飯田信用金庫 桐林支店 普通 0044173
口座名義 地域資源再生隊(チイキシゲンサイセイタイ)
1口2,000円以上(漆平野出身者様・法人様は5口以上)

※募金期間
令和6年10月1日〜令和7年3月31日


この記事を通じて、地元を始め漆平野キャンプ場を利用される方に現状や魅力が伝わり、応援の輪が広がることを願っています。

※ボランティア活動への参加を希望される方は、こちらから連絡願います。村澤さんにつなぎます✋️