むらがるプロジェクト第9回目の勉強会「泰阜村とデジタル化」をオンライン開催しました。
デジタル化というと、かなりぼんやりしたテーマですが、わかりやすい例を出せば「村内全域への光ケーブルの敷設」という一大イベントが進行中です。
”光ケーブルの敷設は無い”と言われ続けてきた泰阜において、高速インターネット回線という選択肢が持てることはデジタル化を身近に感じる好例かと思います。
そんな村内の状況を踏まえつつ、メンバーが9人ほど集まりデジタル化への期待や未来像を話し合いました。
「Youtubeのクルクル(読込中の表示)が無くなるくらいしか想像できない」
上記は光ケーブル敷設のメリットについて、身近な人に聞いてみたときの反応です。
今のケーブルTV・インターネットからの乗り換えで ”速度が速くなる” というメリット以外あるの??という率直な感想でした。
たしかに、「デジタル・テクノロジーを消費する」という側面から見ると、高速化以外のメリットは見出しにくいもの。現状のネット回線に満足できる・我慢できるのであれば、何も高い月額料払って乗り換えるまでも無いね、となりそうです。
メンバーからも「我々はデジタル技術に対して受け身だよね」という声が聞かれましたが、デジタル技術を駆使するような業界で働いている人でもなければ、技術をサービスとして消費するというイメージしか沸かないのも納得です。
動画のダウンロード速度を高めることも豊かさのひとつかもしれませんが、消費する以外のデジタルの可能性を示し、「デジタル技術を使う」という選択肢も含めてもらうことが、今の泰阜村に必要な取り組みなのかなと感じました。
個人的には、デジタル技術の拡充に伴い田舎でも「働き方を変えるチャンスが回ってきた」と感じています。
以下に具体例を示します。
コロナによって広がった「在宅・フルリモート」という新たな働き方は、田舎の就職事情にも多大な影響があると感じています。
それは、「働き方を選べるようになった」ということ。
これまでは、地元の求人のある企業への就職が当たり前でしたが、これからは地元に住みながら「理念に共感できる全国の企業」「興味のある分野の全国の企業」という選択肢が持てるようになりました(フルリモート可であることが前提ですが)。
採用の可否は別にしても、田舎に暮らしながら希望の企業へのエントリーのチケットを握れたことは非常に大きいと思います。今まではその可能性すらなかったのですから。
新卒・移住・転職においても、”通える範囲の地元企業であること” という条件が一部取っ払われたわけです。
仕事選びにおいて「田舎在住」がいよいよボトルネックにならない時代になってきたと感じるのは私だけでしょうか?
また、デジタル技術で「個人の情報発信が格段にしやすくなった」点も見逃せません。
上図は、「泰阜村にこんな窓口があったらいいな」という私の妄想です。
列挙した項目は、私の周りでインターネットやデジタル技術を使い「新しい働き方を手に入れた人」の例です。すべてではありませんが、オンラインでのwebデザインやライター、楽器レッスンなどは私の実体験でもあります。
これらの仕事の素晴らしいところは「田舎に住んでいてもできる」ことではないでしょうか?
鬱などの心的ストレスに対して、自然は”緑の処方箋”と呼ばれているそうです。泰阜のような自然豊かな土地で暮らし、自分の得意なこと・好きなことで働くという選択肢は、今まさに求められている生き方のひとつになっています。
デジタル技術を「使う」ことで、自分の好き・得意を生業として社会に還元できる可能性が高まっています。ライスワークとしての仕事は必要ですが、「やりがい」や「社会貢献」をライフワークの方で実現するための手段としてデジタル技術はチャンスを広げてくれると思うのです。
デジタルの可能性を知っている人だけが恩恵を受けられるのではなく、デジタル化で出来るようになったことをより広く知ってもらい、ていねいなサポートも受けられる。
そんな取り組みがむらがるプロジェクトでできると面白いなぁと妄想しています。
当夜の勉強会では、メンバーからこれらの声が寄せられました。
「デジタルに疎い人が多い」という声もありましたが、デジタル技術は興味関心が無いとなかなか踏み込むきっかけがありません。電子デバイスやzoomのようなオンライン会議アプリも、”コロナで使わざるを得なくなって使っている”状況が大半なのかもしれませんね。
暮らしの中にはすでにデジタルの部分もあれば、アナログの部分もあります。人によってその割合が違うわけですが、「どんな割合も自分で選べる」ことが、デジタルもアナログも否定しない豊かな暮らしの未来かなと。
勉強会の中で「80代の女性プログラマー」の話が出ましたが、デジタル技術は若者だけのものでも、分かる人だけのものでもありません。興味を持って取り組めれば、何歳でも関係ないのですね。
デジタル技術にアレルギー反応を示す方も多いようですが、食わず嫌いであれば、それを正す機会が平等にほしいところ。問題は誰がその機会を作れるか・・・ですが^^;
そういった課題にワクワクし、あるメンバーの”野望”を聞いたところで本勉強会は盛会のうちに終了しました。選挙前の忙しいなかのご参加、ありがとうございましたm(_ _)m
デジタル化と選挙を絡めてコメントするならば
オンライン投票システム、はよっ!!
ってところでしょうか。
次回は11/26(金)開催ですが、日程は再調整する予定です。