4/23(金)、むらがるプロジェクトの定期勉強会をオンラインにて開催しました。
4月のテーマは「泰阜村の現状にちょっと危機感を持ってみる」として、行政が”課題”として発信している内容と、住民である私たちが生活の中で感じる課題・困りごとについてのギャップについてオンラインで話し合いました。
むらがるメンバーに事前に課題・困りごとについてのアンケートを実施したこともあり、積極的な意見交換で大変実り多い1時間になりました。
当夜の内容を私が記録できた範囲でシェアします。
そもそも、勉強会のテーマを「泰阜村の現状にちょっと危機感を持ってみる」としたことには理由がありました。
冒頭でも述べたように、行政が発信する村の課題と、ここに暮らす私たちが感じる課題にギャップがあると感じたからです。
「地域をまわって考えたこと」という本の引用になりますが、
じつは、現在の過疎地は「困っていない」ともいわれる。
そうです。
物質的には豊かになり、実質的な生活の面では”困っていない”という現状がこの泰阜にもあるのでは?と感じたことから、当テーマを選定しています。
泰阜村からの発信は、人口減から生ずる様々な課題(住民生活 / 産業・雇用 / 子育て・教育 / 医療・福祉 / 行財政サービス)が人口ビジョンという資料にまとめられています。
この人口ビジョンをもとに泰阜村総合戦略という各課題に対する基本目標が掲げられ、5カ年の取組として実践されているわけです。
上記2つの資料(人口ビジョン、総合戦略)は、非常によくまとまっており、この村の現状が数値でわかること、そして泰阜村がどのような方向に、どんな目的を持って進もうとしているのかがよくわかります。
事前のアンケートでは、むらがるプロジェクトに所属するメンバーから本当に様々な困りごと・課題が提起されました。ちょっと見にくいですが、以下にまとめています。
↓こういうマインドマップをメンバーがサクッと作ってくれてシェアしてくれるのも、むらがるプロジェクトの強みであり、運営側として本当にありがたい部分です^^)
アンケート結果を大きく分類すると、
という10カテゴリーになります。
この10カテゴリーの中から、皆で話し合いたいテーマを募集しました。
「村にあるものの活かし方」への関心度が高いことがわかり、今回の勉強会では村にあるものを活かすために私たちができることを主にそれぞれの思い・アイデアを出してもらいました。
下記のように、”活かせていないと感じる場面がある”ということですね。
村にあるものを活かす
とは、泰阜村総合戦略と紐付けるならば「基本目標4:人口減少に対応した、地域からつくる新たな未来」や「基本目標5:農山村の原風景を守りつつ進める環境整備」などに当たるでしょうか。
個人的には「ギャップがある」と感じていた行政の課題意識と、住民である私たちの課題・困りごとがリンクする部分があることが新たな発見でした。
総合戦略は、令和元年に実施された住民アンケートの結果も多分に反映されているようですので、「しっかり民意を汲んだ政策」ということなんですね。村政へのこういった部分の理解がもっと村民に進むと良いのですが。。。総合戦略、本当に良い資料だと思うので。
4/23の勉強会は8名が参加され、それはそれは濃い意見交換がされました。
やはり「自分の思い・意見を発する”場”がある」ということが本当に重要なんだと思います。そして、出されたアウトプットを実践していく仕組みも。
勉強会では、まずアンケート結果を受けての所感をメンバーそれぞれに話してもらいました。
などなど、鋭い意見が出されました。
意見を出すだけで終わってしまうと、意見交換会で終わってしまいます。
むらがるプロジェクトの理念は「私たちの”いま”をデザインすること」であり「率先して失敗すること」であるので、課題と感じる部分に対して私たちに何ができるのか行動ベースで考えていきます。
事前打ち合わせに参加してくれた資料作りのメンバーでも「愚痴をう言うだけの会にはしたくないね」「小さなことでも成功例を作っていきたいね」ということを共有していたので、勉強会では「アイデア出し」をお願いしたのです。
メンバーからは「村にあるものの活かし方」に対し、このようなアイデアが出されました。
どれも個性的で面白いアイデアですね!
イノベーションは0から1を生み出すものではなく、「あるものとあるものの掛け合わせ」と言われます。むらがるプロジェクトの取組みをイノベーションと呼ぶにはいささか影響範囲が限定的ですが、出されたアイデアをミクスチャーして実践していければ、本当に面白い取組が生まれるような気がします。
例えば、、、
誰がどんなことができるのかデータベースになっていると村の中で”生きがい”が生まれやすい状況がつくれるのでは?というアイデアと地域通貨のアイデアを組み合わせることで、生きがいとリターンが同時に創出できます。
もちろん、得意なことが活かせるのなら「ありがとう」の言葉で十分という方もいるでしょうが、ありがとう+αで地域通貨などが交換されるようなると”やりがい”、”生きがい”への加速が進むようになると感じました。
そのような循環が、村民の自信につながるのでは。
上記の「得意なことデータベース」は顔を知らない仲ではお願いしにくい、という意見が出され、それならばむらがるプロジェクト内で実践してみては?というアイデアが出されました。
私の個人的な得意「Web関係」と「むらがるプロジェクトのなかで互いにできることをシェア」というアイデアを掛け合わせ、当Webサイトにメンバーだけが閲覧できる”得意なことページ”を実装しました。
メンバーの得意なことページは仮に「おてこシェア」と名付けました。(何かネーミングで良いものがあればメッセージくださいm(_ _)m)
”おてこ”とはこの地方の方言で「助手・手助け」という意味があります。自分の得意なことをガンガン押していくというよりは、自分のできること・好きなことを”それをほしいと思う相手のためにシェアする”というニュアンスで使っていければ。
「こんなことならできるよ〜 / 手伝えるよ〜」という相互協力が広がることを目指します。
勉強会の意見でも出されましたが、「得意なことや才能を認識できていない人もいる」なかで、自分の得意はこれだ!と自己理解が進んでいる人だけが豊かになっていくのは地域を俯瞰した時にデメリットになりかねません。
仕組みとして、住民の能力開発のサポートなどが実現できるといいですね。むらがるプロジェクトで「自己理解を深めるワークショップ」をやったらどうかとも思います。コーチや講師など特別な人材を招集しなくとも、今はそのようなことが体系的にまとめられている良い本がたくさんあります。
本で学んだことのシェアの効果は未知数ですが、トライすることに意味があります。
”推し村民”というワードだけでも面白いこと確定なんですが、「どうせなら、推し村民の方の話を聞けない人にもネットで配信できたらいいよね」というアイデアを頂き、それならできそうだ!とひらめいた案件です。
ちょうど泰阜村でも光ケーブルの敷設が進み、早ければ夏前にはサービスが始まる模様。このタイミングで村の内外にアピールするアイデアが出てきたのは運命的なものを感じます。
泰阜村は「COHOs」という関係人口施策があり、関係人口として数十名の登録者がいるようです。COHOsとの連携や、個人的なつながりで泰阜村に興味を持っている村外の方へのPRとしても「推し村民イベント」は有効活用できそうですね!
ネット配信はアーカイブ(保存)できるので、活動のアウトプットとしても活用できます。
まずはメンバーの”推し村民”を囲んでの会を計画していきます。実施はネット環境が整う夏以降かな〜。
今回は投票の結果と時間の都合上「村にあるものの活かし方」という1テーマについての勉強会・話し合いになりましたが、他にも議論したら盛り上がりそうなテーマが盛り沢山です。
「私達にできること」など目的を限定し、短い時間でできる範囲のアイデア出しをしていけば、子育て世代で忙しいメンバーも話し合いに参加しやすいですし、むらがるプロジェクトの活動も勉強ベースから行動ベースに転換してくのだろうと思います。
多様な考えや知見を持ったメンバーが集まると、それだけで会が盛り上がりますね。
次回勉強会は
■ 2021/05/28(金) 「泰阜村の未来にワクワクしてみる」
ワクワクするために、事前に「みなさんの夢」を集めたいと思いますのでアンケートにご協力ください。小さな夢でも大きな夢でも少しずつ実現しながら、この地域に生きる私たちが輝くことが、泰阜の豊かさの象徴のひとつになっていくといいですね。
*** 村誌クイズ ***
勉強会では毎回「泰阜村誌」よりクイズを出しています。
今回のクイズはこちら
面白い風習ですね。答え、わかりますか??
次回の村誌クイズもお楽しみに!!